土壁の家
身体にやさしく、環境にもやさしい土壁
土壁の家

土壁(荒壁)は、柱に通された貫の間に間渡し竹を取り付け、割り竹を1本ずつ縛り格子状(竹小舞)に編んでいきます。
その竹小舞の下地にワラを練り込んで寝かせた土を片面に塗り、一週間ほど乾かせて反対側を塗り(裏返し)土壁(荒壁)が完成します。
土も木と同様に呼吸する自然素材です。
土壁は材料すべてが自然からできており、夏は涼しく、冬は暖かいと言われ、呼吸する壁として親しまれてきました。
土壁の良いところは蓄熱性が高く、防火性、防音性、耐震性、調湿性に優れ、日本の高温多湿の気候風土に合うことです。
悪い所は、断熱性があまり高くないこと、土壁を乾かす時間が必要になってくるので施工期間が長くなります。簡単に補修可能ですが振動や伸縮によりクラックが入ることがあります。

「土壁」と聞くと、一般的には和風住宅のイメージがあると思いますが、洋風住宅でも大丈夫です。
身体にやさしく、環境にもやさしい土壁。
興味を持たれたらお気軽にご相談ください。

土壁
蓄熱性

土壁は、容積比重が大きいので蓄熱しやすく、温まりにくいが、一度温まってしまえばなかなか冷めにくいという性質があります。
部屋を暖かく(冷たく)すれば、暖(冷)房を切ったとしても熱は逃げにくいので、快適な状態がつづきます。
また、土の熱伝導率は低く、冷気を遮断する状態はコンクリートの2倍以上もあり、室内の冷暖房効率が良くなります。

調湿性

土壁の湿気調節能力は、一般的な家の壁材と比べて20倍と言われています。
湿気を壁が吸ってくれるので、カビ・ダニなどの防止にも効果があります。
また、夏に湿度を下げ涼しく感じさせ、冬には乾燥しすぎることなく柔らかな空気となります。
日本の気候風土における適材といえます。

防火性

建築基準法で、土壁は「防火構造」として認められています。
土壁は燃えないので安全で有毒ガスを出しません。
江戸時代に全国に広まった土蔵に大事な家財が収納されている理由がわかると思います。

耐震性

土壁の下地を兼ねている通し貫があります。通し貫とは、柱に穴を開けて板状の木材を通してクサビで締めることで、柱全体が繋がり地震時の揺れに対して全体でバランスをとり、柱が倒れるのを防ぐ役目をしています。
土壁は、地震等の外力が加わった場合、土壁が壊れることで外力を吸収します。
万が一、土壁が壊れたとしても通し貫や木組みによって倒壊を逸れ人命を守ります。

遮音性

土壁は比重が大きいため音の振動を遮断するので、遮音防音効果があります。

消臭効果

ペットやタバコなどの匂いを土壁の呼吸作用で土壁自身が取り込んで消臭してくれます。

土壁の家